京都で生活:注文住宅とローコスト住宅を比較

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近年全国的にローコスト住宅の需要が高まってきました。その良さは圧倒的なコストです。一般的な注文住宅メーカーで40坪の自宅を建築した場合、地域にもよりますが、京都の場合、建築費は約3,200万円前後に対し、ローコスト住宅は安いものでは1,500万円前後で建築できます。しかしながらデメリットももちろんあります。ここではどんなデメリットがあり、どのような対策をとれば良いかを解説していきます。

そもそもローコスト住宅と安さの秘密

ローコスト住宅とは、一定の定義はないものの、住宅展示場などにある家のようなものより、比較的安い価格で販売されている住宅のことを言います。注文住宅と違い、なぜ安いのかというと、圧倒的なコスト削減が挙げられます。材料などは基本的に下請け業者に頼み、年間発注数を伝え、これくらいの材料費で、と集中購買をかけます。それにより、原価を圧縮しております。もちろん、建築する大工などの下請け業者にも、同様に単価交渉をしているのです。また、住宅設備に関しては、生活する上で最低限の設備が多いです。オプションを付ける場合は、集中購買から外れているケースが多いので、かなり割高になります。後は、宣伝広告をしない会社が多いので、諸経費を削減できている会社が多いです。

ローコスト住宅のメリット

ローコスト住宅の一番のメリットは毎月の支払い額です。1,500万円前後の物件であれば、35年ローンを組んだ際の毎月の支払い額が約45,000円で済みます。他に固定資産税などの費用も掛かってきますが、京都であれば年間100万円前後で収まります。毎月賃料を払い、京都の賃貸物件で住んでいる人からみれば、マイホームも持つことにより、今の家賃より家の支払いの方が安くなることもあります。また、将来的に賃貸物件として貸すことも可能です。注文住宅と比べ、ローコスト住宅は借入額が少ないので、繰り上げ返済すれば早く返済可能です。賃貸物件はローコスト住宅として募集せず、貸家として募集するので、借主はローコスト住宅ということはわかりません。もちろん借入金の全額返済が条件となりますが、返済後は賃貸物件として家賃収入を得られることも可能です。京都に住みたい方も多いので需要は高いです。

ローコスト住宅のデメリット

金銭的な面だけを見れば、注文住宅より、ローコスト住宅の良さがわかってきますが、安い分デメリットもあります。コストだけで決めるのではなく、デメリットを踏まえた上で考慮しましょう。ここではローコスト住宅のデメリットについてお話していきます。

間取りの変更が出来ない

京都のローコスト住宅は基本的に規格化されたプランで出来ております。間取りが決まっている建物という事です。注文住宅とは違い軽微な変更以外、間取りの変更ができないようになっている為、自由に設計出来なことが多いです。間取りの変更が出来ない理由としては、建物を設計した後、必ず、建物の構造計算を行います。この構造計算の費用が高い上、日数も要するため、メーカーは好みません。規格化されたプランであれば既に構造計算されているので、新たに費用もかからなければ、日数もかかりません。ローコスト住宅メーカーは早く着工して入金が欲しいので、日数をかけたくないという気持ちが強いです。そういったこともあり、間取りの自由度は低いところがあります。

住宅の仕様や設備が安い

夢のマイホームですので、いろいろとオプションをつけたくなると思います。実際に京都ローコスト住宅の仕様を見てみると、ローコストと言わんばかりの最低限の物ばかりです。水回りは賃貸物件とさほど変わらないものもあります。オプションを付けアップグレードしたくなる仕様ばかりです。

建物の劣化が早い

注文住宅の場合、多くのメーカーは住宅性能評価劣化対策等級3を取得します。これは数字が高ければ高いほど、建物が長持ちしますという認定を受けた証拠です。しかしローコスト住宅の場合、多くのメーカーは1等級になります。長持ちしないと言う訳ではありませんが、改修目安は、注文住宅より早いということを表します。

ローコスト住宅は住宅性能が劣る場合がある

ローコスト住宅は建築費を抑えるため、材料を削減していることがあります。もちろん建築基準法に基づいて建築しているので問題はありませんが、大手の注文住宅メーカーと比べ、耐火性、断熱性、耐震性が劣ります。しかしこれは住んでいる人の感覚によって個人差がありますので、一概に悪いとは言えませんが、ローコスト住宅を建築した以上、住宅性能の低さは我慢する必要があります。京都は基本的に暖かい地域ですので住宅性能を重要視されませんが、東北などの寒い地域では、住宅性能が重視され、ローコスト住宅が少ない要因にもなっております。

ローコスト住宅のデメリット対策

京都のローコスト住宅は規格化されたプランが主流ですので、コストを考えると、間取りの変更、オプションの追加は難しいです。しかしながら耐久性、快適性はある程度対策出来ます。それを踏まえて、住宅メーカーを十分に検討することはもちろんのことですが、事前に対策できることはありますので、ご紹介していきます。

毎月の支払額を決める

まず初めに、ローコスト住宅を建築する際は、毎月の支払い額を決めてから建築費を決めましょう。月々いくらまで支払いができるかを決めれば、トータルの建築費がわかります。ローン期間や、金利によって支払額は変わりますが、毎月の支払いを抑えたい方は、ローン期間を延ばせるだけ延ばしましょう。基本的にはローン期間は35年になります。一例として、35年ローンで金利1パーセントだった場合、2,000万円の借り入れで月々56,000円前後、2,500万円の借り入れで70,000円前後、3,000万円の借り入れで85,000円前後の支払いになります。無理のない金額を設定しましょう

業者選びと工法を選定する

京都のローコスト住宅メーカーは数多くあります。1社だけに絞るのではなく、3,4社ほどのモデルハウスを見て確認し、相見積もりを取ることは必須です。各社良いとこと悪いところがあると思いますが、どれが妥協できる点なのかを判断するためにも、業者選びは大切です。またメーカーのよって建物の構造が違います。昔からある在来工法をはじめ、近年需要が高まったツーバイフォー工法。これらの工法によっても、耐火性、断熱性、耐震性が変わります。ツーバイフォー工法の方が、耐火性、断熱性、耐震性に優れているので、在来工法よりオススメです。

見積もり内容を確認する

各社見積もりを取ったら、まずトータルの金額を確認しましょう。そこで安ければ良いという事ではありません。見積もりの中には外構費、諸経費が入っていないケースもあれば、本体金額を下げ、外構費用に上乗せしている会社もあります。しっかり時間をかけ、見極める必要があります。

まとめ

これまで京都でローコスト住宅を建築する際のポイントについて解説してきました。圧倒的なコストから、注文住宅より人気が集まりますが、家づくりの自由度が低く、住宅性能が注文住宅と比べ劣るところがあります。その為、ローコスト住宅を建てて失敗しない為にも、デメリットを理解することが必要です。理解した上で、実際に建物を見て、各社見積もりを取り、十分時間をかけて比較検討することで良し悪しがわかるのです。人生で一度あるかどうかの大きな買い物ですので、条件にあったローコスト住宅メーカーを選ぶましょう。