京都の木の家に見る建築様式、数寄屋造り

和室

京都の木の家には、様々な建築様式の家があります。

京町屋の町家造りもその一つですが、それよりもさらに歴史の古い建築様式も存在しています。
その建築様式とは、数寄屋造り(すきやづくり)と呼ばれるものです。

数寄屋造りは、まさに日本の文化や精神を表す建築様式と言えます。

今回はこの数寄屋造りの建築様式について、ご紹介していきます。

悠久の歴史が息づく京都の数寄屋造りの木の家

数寄屋造りという建築様式を一言で表すと、茶室を模して造られた家のことを言います。
その歴史は古く、安土桃山時代までさかのぼります。

数寄屋造りは日本の文化に欠かせない「わびさび」の要素を取り入れ、質素ながらも自由で洗練された造りとなっているのが特徴です。
襖や障子などにも非常に細かな細工が施されるなど、一見すると素朴でありながらも高度な建築技法が用いられ、家の空間作りも綿密に計算されています。

建築材についても高価なものを使うことはなく、徹底的に無駄を削ぎ落しています。
これも、「わびさび」の精神に由来しています。

豪華な装飾を嫌い、質素かつ簡素でありながらも奥深さを生み出すその建築様式は、
まさに日本が生み出した独自の建築様式であると言えますね。

現在も京都には数寄屋造りの家屋が残っていて、その多くは高級料亭や割烹となっています。
長い時代を経てなおも残り続けるということは、それだけ日本人の心に響くものが宿っているのでしょう。

歴史ある数寄屋造りの建築に触れ、日本の文化や歴史、そしてわびさびの精神をさらに知ってみてはいかがでしょうか?